あなた以外は風景になる

その人以外見えなくなった時のことを書いておきたい

【ネタバレ多少あり】映画「幕が上がる」感想 2015/3/4at新宿バルト9

高橋さおりは、私でした。

恥かしいけど、もう言い切ってしまおう。
主演の高橋さおりさんと同じような青春を過ごしました。
私が高校二年生だったのは1●年前だけど、でも、スクリーンにはあの頃の自分がいた。

さおりと同じように、友達が入っていたから演劇部に入り、
二年生で(なりたくなかったのに)部長になり、
秋の地区大会で引退かと思いきや、まさかの県大会出場となり。

それだけじゃない。

さおりが夏合宿した施設が出たとき、思わず息を飲んだ。
そして更に、合宿の稽古風景。

同じ場所で、私も合宿したんです。稽古をしたんです…。ここまでとは…。
田舎の女子高生が、都会の明るい夜を憧れの目で眺めたり。…まじか…。

どこで見てたの、平田オリザ先生!!

そう叫びだしたくなるくらい、映画の中にはあの頃の自分が沢山。
120分かけて、ずっと「青春に復讐されていた」のです。
そんな私がこの映画を、客観性を持って評価することなど出来ない。

ストーリーとしては、特に新鮮で斬新なところはない。けれど、とても丁寧に書かれていて、素直に話に入り込める。
一生懸命になったことがあるひともなっていないひとも、ストーリーに無理なく引き込まれ、気持ちを寄り添えることができる。
主役を百田夏菜子に定めているので、視点もぐらつかない。
良く出来ているし、清清しい青春映画だなーと思う。
メンバーの役柄も、原作を読んでいないからなんともいえないけど、素のももクロに近いような配役になっていて、本人たちも演じて気持ちよかったんじゃないかなあ。
素直に面白かった。

ただ、その丁寧な脚本に雑なノイズが散りばめられているのが大変気になってしかたがない。
あちこちにちりばめられた、ももクロを暗示する(誇示する)グッズや演出。
これは、要らないでしょ!
ジャージや鞄がメンバーカラーくらいなら許容できる。
ただ、大事なところで後ろの人がグッズ持ってるとか…ももクロに馴染みがあるだけに集中を乱される。

私が一番嫌だったのが、さおりと中西がフードコートで話し合うシーン。
夏菜子の前にみどりのジュース、ももかの前に赤いドリンクが置かれていて、わざわざももかが遠くのみどりのドリンクに手を伸ばすんだけど、あれが何も知らなかったら、すごく意味深な仕草に見えて仕方なかったんじゃないかな。
ももクロの演技だけで、そんなコネタ入れなくても十分に成り立つのに残念。
かなちゃんの心のセリフも、だんだんうるさいって思ってしまった。

エンドロールの「走れ」も別にいらないとは思う。
でも、あのエンドロールはとてもかわいらしい。ももクロのかわいらしさがにおい立つようだ。
だからせめて、主題歌のあとに流せばよかったのに…。おまけっぽくさ…。

今までももクロが出演しているドラマは見てきたけど、いつも見ているこちらが何故か照れて恥ずかしくなるのが常だった。
今回もそうなのかなーと期待はしていなかったが、そんなことは全くなく物語に集中できた。
ああ、女優さんでもあるんだな。しみじみ。

文句も書いてしまったけれど、ももクロの魅力が満載で飽きることはなかった。
個人的な事情もあり、こんなに疲れる映画もなかった。


あと、受験生なのに演劇に夢中になった私を、親はどんな風に見ていたのかずっと心に引っかかっていたのだけど、
劇中のさおりの母親のセリフに救われた。
私の母も、同じような気持ちで見守ってくれていたんだと思うと、感謝しかない。


20分で仕込みをして、60分で上映を終えて。
高校演劇は「芸術」ではない、「競技」だと改めて感じた。

最後の、県大会での緞帳裏のさおりのセリフ。
本当に本当に偶然なんだけど、
同じシチュエーションで、私も、同じセリフを言っていた。

楽しいね。




余談だけど、
劇中に「わたしの星」のチラシ小道具にいれたひと、物凄いいい仕事!!!!ありがとう!!!!
「わたしの星」は、この作品の軸となる「高校演劇」と同じようにキャストが全て高校生なんだけど、
でも「高校演劇」ではなく、かといって「商業演劇」でもないという不思議な立ち位置の素敵な作品でした。
2014年の夏、私はこれに燃え、萌え、灰となりました。