あなた以外は風景になる

その人以外見えなくなった時のことを書き留めたい

君にも書いたよ招待状

リリスクのワンマンに初めて行った日のこと。

当日、どうしてもシフトを変わってもらえなくて、チケットも買わないままだった。そうしたらいつの間にか売切れてしまい、一旦は縁がなかったと諦めた。

でも若干数当日券が発売されると発表され、当時の職場から走って行ける場所だったので、昼休みに道を確認してシミュレーションして、仕事が終わってから本気のダッシュしてライブハウスに飛び込んだ。

幸運にもチケットは残っていた。パンパンな会場にもぐりこんだ。

狭くてステージも見難かったけれど、夢中になっていたとき突然marikoの卒業が発表された。

いくつかグループ追っかけてきて、抜ける子もいた。けど、

 

もう出会ってから目の前でこういわれたのは初めてで、思考が全部止まって意味がわからなかった。

脳がしびれたまま始まったあの日のphotographは、一生刺さったままでしょう。

 

そこからmariko卒業ライブ当日まではかなりのあっという間で、初めて生で聴いたbyebyeでは勿論涙なんて堪えられないし堪えるつもりもなく。その流れからのphotographもうだめだよね。

でも一番辛かったのは、ステージで泣いているメンバーの姿じゃなかった。

いや、それも辛かったけど。

でも私が一番辛かったのは、

優しく優しく微笑んでいた芽依ちゃんの笑顔。

芽依ちゃんは太陽のような笑顔が印象的で、いつでも真っ白な歯を見せて全力で笑う。

それが健康的な彼女の最大の魅力だと思っていた。

けどその日芽依ちゃんは、私が気づいたときには歯を見せずに穏やかに微笑んでいた。

 

この子はさみしくてかなしいとき、泣くんじゃなくて優しく笑う子なんだ。

 

それに気がついたら、もう駄目だった。

 

最後の最後、鳴り止まないアンコールの中、まさかのフロアに登場して「おいでよ」を沢山のファンに囲まれてアカペラで唄った。

そうだね、あの日も、アカペラで楽しそうに歌ってた。

そんな感傷に支配される暇も無いくらい、その瞬間はライブハウス全体を包む「多幸感」に全力で身を任せた。

まるで卒業なんて感じないくらい、これからまた新しいステージへ向かうような勢いで。

あの終わらせ方をしてくれて、本当にありがとう。

 

ありがとくどまり