あなた以外は風景になる

その人以外見えなくなった時のことを書いておきたい

松村早希子個展『原宿アイドル標本箱』

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もう先月の話になりますが、松村早希子さんの個展『原宿アイドル標本箱』へ行きました。
早希子さんとはアイドル現場で知り合いました。どこの現場で誰に紹介されたのかはもうよく覚えていません。めちゃめちゃ現場が被るわけでもないけどさして遠くもなく、時折顔を合わせてはアイドルについて話をするという仲です。
彼女が絵を描く人というのはTwitterを見ていればすぐにわかることでした。彼女が描く女の子は写実的というよりは少女漫画的、ですがどこかリアルでただ可愛いだけではない棘も含まれています。


正直、ちょっと怖いという気持ちもありました。


そんな彼女の個展は今まで断片的に覗かせて貰っていた絵を一度に沢山眺めることができて密度が濃い場所でした。
壁に沢山貼られただけでなく、アイドル標本箱のタイトルそのままに、標本箱に入った沢山の絵を、ピンセットで摘まんで見ることが出来るという試みは、当たり前ですが初めての体験でなんだかいけないことをしている気持ちになりました。


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それはピンセットで摘まむという『非日常』のせいもありますが、文字通り作品の裏側を覗き見ることも出来る興奮もあったと思います。こちらも普段では出来ない体験で、絵を平面として捉えるのではなく摘まむことで関わりを持ち、紙の裏側まで見てペンの跡などから立体的に体験できるのは不思議でした。


そうして並べられた標本箱のひとつに私は釘付けになりました。
そこには今年の二月の終わり、アイドルとしての活動を終えた私の大好きな子の作品が数枚納められていました。
それは見たことがあったものでしたが、実際に手にしてみると不思議な感覚に捕らわれました。
出逢ってから四年半、大好きで夢中になった女の子が、早希子さんの目と手を通して紙の上にいます。私の大好きな笑った表情で。よく知っている表情なのに、初めて見るような気持ちにもなります。
もう更新されることはきっとないんだろうと思っていたあの子の記憶が、またひとつ増えたように感じ、胸の奥がきゅうっとして目の奥が少しじんとしました。


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ここには現役でステージに立っている子も沢山いるけれど、私の推しのようにアイドルとしての活動を終えた子達も沢山いました。その子達の輝いていた時間の断片を標本箱に閉じ込めておける、そんな早希子さんの頭の中にそっとお邪魔させて貰った…それが一番の【非日常な体験】だった気がします。


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男性はゆっきゅんしかいなかった…?