あなた以外は風景になる

その人以外見えなくなった時のことを書き留めたい

That's what I call Shiggy Jr. に寄せて

natalie.mu

 

That's what I call Shiggy Jr.

  直訳すると「それが私がShiggy Jrとよぶものだ」

 

  この2週間ずっと迷ったけれどいつものように文字に残そうと思う。前例を踏まえ、例えそれが辛いきもちでも残しておいた方が自分は結局良かったと思えたからだ。
  とはいえ内容がセンシティブだから多分自分の気持ちそのままを書くことは出来ないし、それでも誰かを傷つけるかもしれないのでやめたほうがいいのかとも考えたけれど、この生々しい傷口もいつかはかさぶたになって輪郭がぼやけてしまうのなら、それは大切な思い出のひとつが消えていくことと同じだから、やはり残しておこうと思います。自分のために。

 

 

 

  2019/6/5、Shiggy Jr.からバンドの解散が伝えられた。

 

  この時に限って私のスマホはツイート通知を上手く拾ってくれなくて、シギー友達からのLINEでバンドから重要な報せがあったことを知った。急いで公式のツイートを開く。

 

 

  一呼吸置いて、メンバーコメントを読もうとしたが気が動転したのか、すぐそこにあるリンクがなかなか探せなかった。メンバー個人からもツイートがあったのでひとつずつ目を通す。でもどこにも、私が望んだ言葉は無かった。


  2019年9月7日に、Shiggy Jr.が解散します。

 

  言葉にしたらこれだけのことだけど、喉の奥がカッと熱くなって小石が詰まったかのような重みがとれないままだ。
  斜に構えた言い方に聞こえてしまうけど、予兆はあった。Vo.池田さんのずっと動いてきたツイートが、動かなくなったからだ。好きになってから彼女はバンドのフロントマンとして沢山の想いを綴り、時にリプライで時にいいね!でファンを愛してくれた。その動きが止まりひと月近くなった頃、(これは・・・)という思いが過ぎったのは確かで、ひっそり事務所のHPを見に行ったりした。
  そこからまたひと月も経たず、こういう報せを受け取るかたちになったのですが。

  メンバーからのコメントはどれも本人の声で再生できるような、自分で一生懸命に想いを、言葉を伝えたい相手をしっかり思い浮かべて書いたような文章だった。この期に及んで四者四様の「らしさ」に満ちていて、泣きながらこういう真面目で真摯な4人が大好きなのだと再確認した。文面には感謝も謝罪も、無念も決意も全部が載っていて、バンドとしてのこの7年、大切な人生のひとときに自分も寄り添えたんだなと思えた。きっと、思い浮かべたファンの中に自分はいるんじゃないかなと言う驕りのような確信。バンドの歴史全てを見ていた訳では無いけれど、インディーズ時代からメジャーデビュー、移籍から今に至るまでこの5年弱は見守っていた自分にとっても本当に濃い時間でした。今回の報せを受けて、こうすればよかったな~という後悔も自分にはないです。ずっと好きで大切な存在でいてくれて本当にありがとう。

 

  ファンと演者は絶対に同じステージに立てないし、本当のことなんて何にもわからない。それでいいんだろうとも思う。彼らが見せてくれるのはステージの上の世界で、彼らの心や人生は見世物ではないのだから。そう基本的には思ってはいるものの、どうして?と思う自分もいるというこの矛盾。でもどこかで、丁寧に見ていると何かが嗅ぎ取れてしまうこともあって。SNSというツールのおかげも大きいけれど、ライブへ足を運び、インタビューなどのメディア露出に触れ、日々作品を本人たちを大切に思う気持ち。そんなことを重ねていくうちに、言葉に出来ない思いや変化を汲み取れる人間の繊細さを感じずにはいられない。偶然、じゃないんだろう。すぐ隣にいるわけでもない人のことを慈しみ、思いやることでも人は親しくなれるのではないだろうか。それを愛と呼んでも許して欲しい。

 

  出会ってから約5年弱って正確にはまだ終わってないけど、いろんなところに連れて行ってくれて、いろんな景色をこちらからも見せてもらいました。びっくりするほど大勢の人の前で立っていた姿も、笑っちゃうほどお客さんがいなかったイベントも、なんのこっちゃわかんない催しも、全部いつだって真摯に取り組む4人は、最高を更新してくれました。何より「POPとは強くないと出来ない」という新しい価値観と、いつだってキラキラした楽曲で人生に彩りを添えてくれてありがとう。………こんな言葉を差し出すのはまだ早い。口が上滑りしている気がする。あんなに素敵なステージを、あと1回しか見られないという実感がないのが本音で。今はそれしか思いつかない。まとまらない。

 

  最後までしっかり見届けそして見つけます。「That's what I call Shiggy Jr.」を。すごくいいタイトルだなって思う。前向きだ。

  報せを受けてからずっと怖くて聴けなかったシギーの曲を、今日はゆっくり聴こうと思います。

 

  当日は少しでも多くの人が、赤坂の餞のステージへ足を運んでくれることを全力で祈ります。少しでも気にかかるなら行こ!!最後なんだから。

 

 

   最後に。
  本当は解散ライブなんてしなくても自由なのに、それでも最後の姿をファンに焼き付けさせようと決めてくれたこと。その場を設けてくださった事務所他、シギーを支えている周りの方にも心から感謝をしています。最後のステージはあって当たり前とは思っていないので・・・。最後まで細やかな愛情をメンバーにもファンにも注いでいただいてありがとうございます。ここに書いても届かないですけど。万が一にでも。

 

 

 

 

 

 


f:id:yurivsky:20190623134111j:image