あなた以外は風景になる

その人以外見えなくなった時のことを書き留めたい

最高のワンマンでした、これ。2015/7/1 Shiggy Jr.ワンマンライブat渋谷クアトロ

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もう丸二日経ったというのにまだ高揚感が続いている。
ライブの真価なんていえるような人間じゃないけど、
ライブ中にステージに夢中になり、そのあと一人になったときもその余韻に酔いしれることが出来る。
数日経ってもまだ心があのステージに向かっている。
それだけで、Shiggy Jr.の初ワンマンライブがどれだけ素晴らしかったかわかってもらえる気がしている。

渋谷クワトロ。
前売り券はソールドアウト。当日券の販売はなし。
開場前から狭い通路には人が溢れ、汗が止まらなかった。
開場してからも、何度もスタッフから「前に詰めてください、ドアが閉まらない」というアナウンスが繰り返される。
熱気と期待が目に見えるような空気。
日の浅いファンの私でさえもなんだか緊張して息苦しくて、ひとりで最前の柵にうつむいてしがみついていた。
定刻になると、シューシューとスモークが少しづつ吐き出されていく。
観客の期待は痛いくらい高まる。
照明が落とされ、アレンジされたLTTMのイントロがスピーカーから流れ出す。
メンバーはまだ来ない。繰り返されるイントロ。
はじまる。
でも、はじまったら終わってしまう。
はじまらないで。
今のままこのまま、もう少し。
期待を煽るハードルを上げるロングイントロ。
ライブは絶頂からスタートした。

最初からこんな盛り上がり必至の鉄板曲からはじめていいの?
そんな心配は杞憂だった。
自信のある曲だからやるんだよ。
そんな声さえ聞えそうな、若干暴力的なライブの始まり。
そんな攻めの姿勢の演奏とは裏腹に、ボーカルの池田さんの目は赤く縁取られていたし、ギターのしげゆき君の目だって潤んでいた。
(ちなみに私の場所からはベース森さんの表情は遠く、ドラムの諸石君はいつものようにめっちゃ気持ち良さそうにしてました)

就職活動を「真面目に」二年もやったのに全滅だった池田さんと、理想のボーカルを探していたしげゆきくんが出会い結成したという、バンドの初期の頃の話に少し触れてから、最初に練習したという話からの音源化されてない思い出の一曲「おさんぽ」披露。
メンバーもそれぞれアコギ・カホンウッドベース(森さんのウッドベースかっこよかったなあ!)みんな座っての演奏。
目線が近づくと、一気に距離が近くなる。
智ちゃんは一生懸命鉄琴叩いていて、それも可愛らしかった(間違えないように使わないところは全部外してきたという池田らしさ全開なエピソードも添えて)。

次のMCを挟んでからは、アコースティックVer.で「やくそく」と「ばいばい」を。
「ばいばい」がすっごく沁みて、自分がどんどん空っぽになっていく。
智ちゃんのボーカルに自分が吸い込まれて空洞になる。
曲の終わりに、私はすっかり空っぽになった。

そのあとはじまったイントロにまさかと息をのんだ。

(awa)

私がシギジュニで一番好きで、一番ライブで聴きたかった曲。
毎朝のアラームにしている曲。
全然やらないと聞いていたので、諦めていたんだけど
やっと聴けた。
きっと聴いたら泣いちゃうんじゃないかと思っていた。けど、そんな隙は微塵もなかった。
このときの空気、絶対に一生忘れない。
ライブハウスとは思えない静謐で神聖な空気だった。
2度目のサビまでキーボードとボーカルのみで奏でられて、そこからは一気に解放されたかのような爆音のバンドサウンド。
音の洪水を浴びて息が出来なくなった。
ただひたすら、目を閉じないように必死にステージを見ているしかなかった。
全身が耳になったかのように。

さっと智ちゃんがステージを抜けると、そこからは楽器隊の男子たちによる自由なBandJamSession。
物凄くかっこよかった。さっきまでの緊張から一気に解放されるかのようで芯から音に痺れた。
POPなバンド?めっちゃROCKなバンドじゃないか!!
三人も凄く楽しそうで、こんな表情池田さんが見たら悔しくなっちゃうんじゃないかって顔してた。
そこからの「oyasumi」では、再度登場してきた智ちゃんがびっくりするくらい客席を煽ってきて、自分でも笑ってしまうくらい煽ってきて、みんな必死に跳ねた。
跳躍するたびに空気が薄くなっていくのが良くわかった。天井が低いわけでもないのに。

 


ボーカルって「声」っていう楽器を持っていて、その魅力や特性はそのひとだけのもので、いろんな形があるって思っていたけど、池田智子さんの「声」は楽器ではないかもしれない。
絵の具。
声で世界を彩りに来る。
私がその声を好きだからかもしれないけど、池田さんが口を開くと世界に色が着くように感じる。
しげゆきくんが描く「POPなのにどこか切ない、自分が主人公かもしれないような身近な風景」に、森さんと諸石君がより華やかに立体的に構築していくシギージュニアの描く世界。
そこに、池田さんは色をつけてくれる。
それをずっと見ていたい。規模が大きくなっても、きっとこの仕組みは変わらない。

最後に池田さんは感謝を述べながら「規模がどんなに大きくなっても、私たちはこの距離感のまま変わらない」というようなことを涙を浮かべながら言っていた。
本当にそうだろうし、そうでありたいと思っているんだろう。その気持ちが嬉しい。今のこのタイミングで、ここで、こういうことをてらいなくファンの前で言える池田智子がフロントマンとしていること、それがこのバンドの強みだなと思う。池田さんは言葉の強さや力を良く知っている。ファンが喜ぶ言葉を知っている。あざといっていう人も居るでしょう。でもこれ狙っても出来ることではない。ライブ終わりに配られた、手書きのセットリストやメンバー紹介、書いてもらえるように工夫したアンケート。メンバーからのサインカード。どれも「見に来てくれる人のために」という姿勢を強く感じる。
ライブハウスで、特別な演出なんてなくても、そんなシチュエーションに頼らなくてもこれだけのものを見せることが出来る。
オリジナル曲はほぼやったし名刺代わりのライブだね、なんてとてもじゃないけどいえない。名刺と呼ぶにはいささか大きすぎるサイズだった。
今の時点での最高を全て詰め込んでいた。


観客みんないろんなところで泣いていたと思う。でも私は一度も泣けなかった。最前中央部というベストポジションにいたのに。
ファン暦が浅くて、まだこのバンドが背負っている物語に乗れないせいもあるかもしれない。
思い入れが薄いせいかもしれない。
泣いたーという感想を見聞きするたびに、正直ちょっと肩身が狭かった。涙腺弱いのになー。そう思って翌朝の電車で「サマータイムラブ」を再生した時、不意に涙が出た。
昨日このイントロがかかったときの、会場の「きた!!」という声にならない声が、期待が寄せられた空気がわっと迫ってきてそれが再生された。
泣くほど感動しなかったのではない、感情が追いつかなかったんだなとぼんやりと思った。


言葉を足しても足してもなんだか違う気がして、このブログ書くのは骨が折れて、もう止めようかなあと三回くらい思ったけど、書かなかったらそれはそれであとあとすごく後悔しそうだから、まとまらないけど残しておきます。いいわけ。


最後に。
目前で展開されたしげゆきくんのギターソロがかっこよかったなああああ!!!はわわわわわわわわ好きーーーー!!!!
ラジオでもMCでも全然喋らないのに、演奏と何よりも「歌詞」でこんなに言葉を尽くしてくれるの最高最高最高(おたく渾身の叫び)

 

そんなますます【好き】を深めてしまったシギジュニメンバーのツイートを貼らせて頂きたい。

ボーカル・池田智子さん

ギター(作詞作曲)・原田茂幸さん

ベース・森夏彦さん

ドラム・諸石和馬さん

 

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サマータイムラブ」


Shiggy Jr. / サマータイムラブ MUSIC VIDEO - YouTube


Shiggy Jr. 「サマータイムラブを踊ってみた」 【Shiggy Jr.篇】 - YouTube

 

 

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