あなた以外は風景になる

その人以外見えなくなった時のことを書き留めたい

THE THROTTLE 《 GOODBYE ON THE STREET 》によせて

 

 

 彼らが路上から姿を消す日が、ついに来た。

 

スロットルは9月にコネクトーンからメジャーファーストアルバム「LET’S GO TO THE END」を既にリリースしている。
ボーカルの高岩遼が所属しているSANABAGUN.の路上ライブの前例を知っているファンは、もうこれで彼らがずっと続けてきた路上ライブも終焉を迎えると予測していた。
がしかし現実は予想を反して、メジャー盤リリース後も(頻度はやや落としながらも)続き、高岩遼に「いつ終わるの?」と訊ねれば「年内はやるよ」という曖昧な返事が続いていた。
そしてついに、バンド側から「その日」が提示された。

 

明日2016年12月20日を持ってTHE THROTTLEは路上ライブを終わりにする。

 

『俺たちはプロの路上ミュージシャンじゃねえ』
そう彼が路上で口にするのを、何度聞いたことだろう。
時には自嘲気味に、時には咆哮するように。
でもその台詞を口にしているそこはきまっていつも薄汚い路上だった。
きもちが痛いほどわかるその気持ちを、私はただ一緒に飲み込むしかなかった。
ここで演奏しているだけでは暮らしてはいけないのだ。

彼らはこれからも音楽を続けるために、路上から姿を消すと決めたのだ。

2016/12/20
新宿駅南口
22時

出来るだけ沢山の人が集まるといいなと願う。
伝説になるくらいのステージになってほしい。なるべきだ。
最大級の感謝と祝福を込めて、拍手という花束で彼らに餞を送りたい。
今まで見たことが無いという人も、是非この機会に足を運んで欲しい。
もう、永遠に見ることは出来なくなるのだから。

 

繰り返す。
2016/12/20
22時

 

明日の夜は天気も味方する予報。
期待と幾ばくかの小銭を握って、新宿南口に集合しよう。
間違いなく、忘れられない夜になる。