あなた以外は風景になる

その人以外見えなくなった時のことを書き留めたい

【鑑賞】と【参戦】のあいだで

履歴書に書けない趣味のひとつに【ライブ鑑賞】がある。

 

なんで書けないのか?と言われそうだけど、ライブってそもそも『鑑賞』するものなの?少なくともステージへ向けて歓声を上げたり手を振りあげたり、心だけでなく身体も揺らす行為は『鑑賞』なんて思えない。そんな対象と距離を置いた姿勢は全然しっくりこない。

 

『参戦』と言っていた頃もあるけどそれも違うなとぼんやり思っていた。何と戦うのか?隣の客と?そういうライブがあるのも知ってるが、私が参加しているのはそうでは無い。

同じく『観戦』もそうだ。スポーツは勝敗を決めるからこれでいい。応援することにのめり込んで自分も戦ってるような気持ちになる!と言われたら『観戦』もありかとも思う。でもやっぱり音楽を楽しむ場で『戦』の字を用いることに違和感がある。同じようにたくさんの人と臨場感を楽しむとしても、スポーツと音楽では感覚が違いすぎないか?そこを一緒にしていいという感性にはやっぱり馴染めない。だからこそ暗くて狭くて床がなんか粘着してスニーカーの底に張り付くようなライブハウスに水分吸ってベコベコの紙コップ握りしめて生息してたんだろうな。どう考えても人が好んでいくような場所では無いのに、お金を払ってギュウギュウに押し込められていたことの意味がよく分からないとコロナ禍でちょっと冷静になった。

 

『鑑賞』と『参戦』の合間の言葉をずっと探していて、もしかしたらそれは『参加』なのかな?と思うけど、履歴書の趣味欄に【ライブ参加】とはやっぱり書けないのであった。気持ちとしては近いけど字面としてしっくりこなすぎる。【ライブ】だけでいい気がするけど、これだとライブする側なのか見る側なのかわからない。そこまでこだわらなくていいって?ほんとその通りですぐうの音も出ません。

 

加えてアイドルを好きになってから、インストアイベント(CDショップとかショッピングモールでのミニライブイベント)に参加する比率が増えて、こうなるともうなんと言ったらいいのか全く分からない。モヤモヤする気持ちを荷物のひとつにそっと加えて、今日も私はステージを見に街へ出る。

 

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